【書評】なぜ「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができないの?『死ぬくらいなら会社辞めればができない理由(わけ)』
皆さん、こんにちは。
今回は、いつもと少し違うテーマについての本を紹介したいと思います。
2015年に、某大手広告代理店に勤めていた新入女性社員の方が、過重な仕事業務によって心身を病み、その結果として自殺をされてしまったと言う事件を皆さんは覚えているでしょうか?
事件の詳細について知りたい方は、こちらをご覧下さい↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/電通#新入女性社員の自殺(2015年)
当時は連日のようにテレビなどの各種ニュースメディアでも取り上げられていたため、自分もテレビで見る機会がよくありました。(最近は全く見ないのですが、当時はよくTVのニュース番組を見ていたので…)
こう言う事件は今までに何度も発生し、そんなニュースを耳にするたび、自分はいつもこんな疑問が湧いていました。
「なぜ自殺をする前に、会社を辞めるなどの他の選択肢を選べなかったのだろう…」っと。
今回皆さんに紹介するの本は、そんな疑問に対する明確な答えが書かれているこちらの1冊です。
『汐街コナ著 ゆうきゆう監修・執筆協力「死ぬくらいなら会社辞めれば」が出来ない理由(ワケ)』(あさ出版)
本書の冒頭で著者は読者に対し、こんな衝撃的な告白をしています
『働きすぎてうっかり自殺しかけました。
しかも、そんな気(死ぬつもり)なかったのに』。
これから少しだけ本書の内容などを紹介して行きたいと思いますので、よかったら読んでいただけると嬉しいです。
著者・監修・執筆協力

ここからは、この本の著者と、監修・執筆協力者の方を紹介したいと思います。
著者について
この本の著者は、汐街(しおまち)コナさんと言う女性の方が執筆をされています。
元々は、広告制作会社のグラフィックデザイナーとして仕事をされていて、その後、漫画やイラストなどの制作活動を始めたそうです。
現在は主に、装丁画や挿絵、ゲームなどのキャラクターイラスト制作などを手掛けているとのことです。
この本は、かつてデザイナーとしてとある会社で会社員として働いていた著者自身が、実際に過労自殺しかけた経験を元にしたお話で、その体験談を描いた漫画がXなどで話題となり、後にそれが書籍化され本書となりました。
汐街コナさんのSNSはこちらから↓
著者からのメッセージ『本書を読んだ感想や心に響いた言葉などがあれば、X「#死ぬ辞め」をつけてつぶやいてくれると嬉しいとのことです。もし良かったら、ハッシュタグをつけてつぶやいてみてください。
以下のメールアドレスでも、本書を読んだ感想などをお待ちしているとのことです。
Emailアドレス・henshubu@asa21.com
監修者兼執筆協力者について
この本は、東京大学医学部医学科卒の現役精神科の医師でもある、ゆうきゆうさんと言う方が、本書の監修者兼執筆協力をされています。
日々現役の精神科医師として活動する傍ら、作家や漫画原作者としての活動もされているそうです。他にも、読者数約16万人のメールマガジン「セクシー心理学」なども発行し、X(旧Twitter)のフォロワーは約40万人とのことです。
主な書籍は、『相手の心を絶対に離さない心理術』(海竜社)、『やられっぱなしで終わらせない!言葉のゲリラ反撃術』(すばる社)などがあります。
その他にも漫画原作者として、『漫画で分かる心療内科』『漫画で分かる肉体改造』『モテるマンガ』『おとなの1ページ心理学』(以上少年画報社)などの制作に携わっており、総発行部数は400万部を超えているそうです。
『やられっぱなしで終わらせない! ことばのゲリラ反撃術』(すばる舎)
『マンガで分かる心療内科1(ヤングキングコミックス)
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックグループ総院長でもあります。
各クリニックの問い合わせはこちらから↓
上野院・03-6663-8813
池袋東口院・03-5944-8883
池袋西口院・03-5944-9995
新宿院・03-3342-6777
渋谷院・03-5459-8885
秋葉原院・03-3863-8882
ゆうきゆうさんの公式SNSはこちらから↓
本の内容紹介

ここからは、この本の内容紹介などをしていきたいと思います。
この本では各章ごとに、次のようなテーマのお話が書かれています。
プロローグ・昔、その気もないのにうっかり自殺しかけました。
第1章・なんで死ぬまでがんばりすぎちゃうの?
第2章・心のSOSに気がついて
第3章・がんばらない勇気
第4章・自分の人生を生きるために
第5章・世界は本当に広いんです
最終章・自分を犠牲にして頑張りすぎちゃう人へ
おしえて!ゆうき先生Q&A
解説
本書は、著者がかつてデザイナーとして会社員をしていた時に、自分では死ぬつもりなんて全くなかったのにも関わらず、うっかり自殺しかけた当時の状況や体験談が、マンガ形式で詳しく紹介されています。
一見すると、「いやいや、死ぬつもりがないのに、うっかり自殺しかけるなんて事が本当にあるの?」っと思う人もいるかもしれません。
でもこの本を詳しく読み進めていく内に、著者がその時に置かれていた状況や環境、精神状態などが徐々に明らかになっていきます。
もしかするとこの本を読んだ人の中にも、(あれ!?、今の自分に当てはまっているかも…)と思う人も出てくるかもしれません。
働きすぎが原因で、うっかり人は自殺しかけてしまう?
そもそもなぜ著者は、かつて会社員(デザイナー)として働いていた時に、うっかり自殺をしかけてしまったのでしょうか?
その理由について著者は当時を振り返り、「働きすぎが原因」だったと語っています。
なぜ働きすぎが原因で、うっかり自殺しそうになってしまったのでしょうか?

著者は本書のプロローグで、こんな話を語っています。
プロローグ・昔、その気もないのにうっかり自殺仕掛けました
汐街コナ・『前略
過労自殺と聞くと、
「死ぬくらいなら辞めればいいのに」
と、思う人は多いでしょう
が
その程度の判断力すら失ってしまうのが、ブラックの恐ろしいところなのです。

例えばですが、両側を崖に挟まれた細い道を歩いているとします。
道にはいくつもの分かれ道や扉があります。
元気なうちはそれがまだ見えます。
でも、真面目な人ほどその道や扉を塗りつぶしてしまいます。

何度も何度も、繰り返し丁寧に
そうこうするうちにも、長時間労働は思考力を奪い視界を暗くし、
ハラスメントは傷になって痛み続ける
何度も塗りつぶした道や扉はもう見えず
大切な人の声も届かず
壊れたように歩くことしか考えられなくなり

気がつかないうちに
その人の視界は

このように、
『まだ大丈夫」なうちに判断しないと、
判断そのものができなくなるのです。
今、これを読んでいるあなたは「まだ大丈夫」です。
判断ができます。
この本は未来のあなたや、あなたの大切な人の
「まだ大丈夫」が
「もう、無理…..」
にならないために書きました。

今忙しくて本を読むヒマがないと言う人も、
「自分には関係ないな」と思って
この本を閉じようとしている人も、
もし今後、「ヤバいな」と思ったら、
これだけは忘れないでほしい。
世界は、本当は広いんです』。

う〜ん、なるほど。過労自殺を実行に移してしまう人というのは、すでに長時間労働などにより、「仕事を辞める」と言う冷静な思考や判断すらできない程に、精神的に追い詰められてしまっていると言うことなんですね。
現役精神科医師が解説する、「死ぬくらいなら会社辞めれば」が出来ない理由(ワケ)

先ほどのお話は、著者自身が考える「死ぬくらいなら会社辞めれば」が出来ない理由(ワケ)についてのお話でした。
本書では、現役の精神科医師の視点から見た、なぜ「死ぬくらいなら会社辞めればが出来ないのか?』と言う理由について、この本の監修者でもある、現役精神科医師であるゆうきゆう先生に詳しく解説してもらいたいと思います。
おしえて!ゆうき先生❹ Q・追い詰められるとなんで「死ぬくらいなら会社辞めれば」が出来ないの?
ゆうきゆう・『A・心理学の有名な概念に「学習性無力感」と呼ばれるものがあります。
これは長期間、人間や動物がストレスを受け続けると、その状況から逃げ出そうとする努力すら行わなくなるという現象です。

よくサーカスの象の例が引き合いに出されます。
サーカスの象は足首に紐をくくられ、地面にさした杭とつながれています。象は力が強いので、杭ごと引っこ抜いて逃げ出すことができます。
しかし、サーカスの象はおとなしく、暴れたり逃げ出そうとしたりしません。何故でしょうか。

サーカスの象は、小さいころから足に紐をくくられ杭につながれて育ちます。小さい象の力では当然杭は抜けません。
つまり、小さいうちに、「抵抗してもムダ」ということをインプットしてしまうため、大きくなれば簡単に杭を抜いて逃げることができるのに、小さいころの「ムダだ」という無力感を学習したことで、「逃げる」という発想がなくなってしまったのです。

これは人間にも当てはまります。この本の冒頭にもあるように、世界は本当に広いです。人生にはたくさんの選択肢が存在します。
しかし、ずっと杭に繋がれていた象が杭を抜いて逃げ出そうとしないように、人間も過度のストレスを受け続けると、逃げ出すという選択肢が見えなくなるのです。
また、選択肢が見えていたとしても、「やめる」と言う決断ができない人もいます。

「辞める」決断ができない人のお話を聴いていると、その大きな理由のひとつに、「辞めた後の生活が想像つかない」と言うのがあります。
例えば学生のとき、「転校」や「進学」によって環境が変わることは、すごく緊張したはずです。
- 「どんな先生がいるのかな…..」
- 「雰囲気になじめなかったらどうしよう…..」
- 「どんな友達がいるのかな…..」
- 「そもそも友達ができるかな…..」
- 「もしイジメにあったら…..」
たくさんの不安や心配が湧き上がったことでしょう。新しい環境、つまり未知の世界に不安を抱くのは当然です。

これは大人も同じです。
「辞める」決断をして、新たな環境を選んだとしても、その新たな環境が必ず「より良い環境」とは限りません。
そんな決断をした先にある不安があるからこそ、「辞める」という決断がしづらくなるのです。

このように「辞める」選択肢が自分の中にあっても、不安があることで決断できずにいる人が、過度のストレスによりどんどん追い詰められ、選択肢があったことすらわからなくなり、「もう何もできないから、死ぬしかない」なんて考えてしまうこともあります。

個人的には「辞める」勇気が出ないなら、「まずは休んでみる」のも一つの選択肢ではないかと思います。または、メンタルクリニックで、うつの診断テストを受けてみたり、話を聞いてもらったりしてみるのも一つの手です。
もし休むことができたら、その時に、新たな環境になりそうな職場について調べてみると良いでしょう。

中略
そして「あぁ、こんな職場なら、楽しいかも」「こんな仕事やってみたかった」と思うことができれば、「職場が変わる事への不安」も解消されるでしょう。
中略
また休んでいる間に、会社が職務内容や環境を調整してくれて、その結果、今の職場で働きやすくなることだってあります。

会社で移動願いを出して運よく部署移動させてもらえれば良いですが、その可能性が低そうであれば、「休む」や「辞める」の選択肢が見えているうちに行動してみてはいかがでしょうか』。
う〜ん、なるほど。精神科の専門医の視点から見ても、人は過度のストレスを受け続けてしまうと、逃げ出す(辞める)と言う大事な判断や決断すら出来なくなってしまうと言うのは本当なんですね。
なので、選択肢がまだ見えているうちに、決断や行動することが大切ですね。
…以上で、今回の本の内容紹介はここで終わりです。
本書の中では今回紹介したお話以外にも、うっかり自殺しかけてしまったと言う過去を持つ著者だからこそ分かる、(無理をしない事の大切さ)についてのお話や、現役精神科医師が解説する、医学的見地から見た、(心や身体の問題)に対処する具体的な方法などが詳しく紹介されています。
今回の記事を読んで本書に興味を持たれた方は、ぜひ一度本を読んでみてはいかがでしょうか。
終わりに
いかがだったでしょうか。
いまだに世の中には、「過労自殺」と言うものが存在しています。そんなニュース記事を見聞きするたびに、いつも僕はこう思っていました。
「なんで死ぬくらいなら、もっと早く会社を辞める選択や決断、行動などができなかったんだろう?」…っと。
本書を読む事で、その理由がよく分かったような気がします。

この本のあとがきで、著者はこの本の読者や全ての(働く人達)に対して、次のようなアドバイスをしています。
あとがきにかえて②

汐街コナ・「
ツイッターで
漫画の反響を
いただいたときに
驚いたのが
「同じ状況を体験した」
「今まさにその状況」
という反応がとても
多かったこと

過労死は英語辞書でも
“KAROSHI”
と載っている
それくらい
日本独特のもの
らしいですが
台湾や
フィリピンの方からも
同じ問題がある
と言う反応を
いただきました

一方で、この漫画を
過労死が理解されにくい
欧米でもぜひ紹介させてほしい
という連絡も
もらいました
でも、理解できなくて
当たり前かもしれない
「普通の人が真面目に
働くだけで死ぬ」
どう考えても
異常です

しかもその理由が
真面目さや責任感
努力家であること
人への配慮など
本来報われるべき
美しい感情のせい
だなんて
あまりにも残酷すぎると思います

日本は便利で
治安もよい
素晴らしい
国ですが
それを
死に至るような過労が
支えているなら
「幸せな国」とは言えない
のではないでしょうか

本来は企業側が
十分な対策を
すべきと思いますが
ここ何10年
問題がまったく
解決されてない
ことを考えると
労働者側が
自分で自分を守る
しかありません

この本が少しでも
その助けになれば
幸いです』。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
もし会社を辞め辛い場合には…
最後にもうひとつご紹介です。
もし仮に、いざ仕事を辞める決心はついたのだけれども、以下のような状況で、会社に辞職願を出す(伝える)と言う事が難しい場合もあると思います。
例えば
- 会社を辞めると伝えると、強引に引き止められる
- 辞めると伝えると、嫌味を言われたりする
- そもそも、会社(上司)に辞めるとなかなか言い出し辛い
…っと言った状況です。
そんな時は一つの選択肢として、自分の代わりに会社に退職の意思を伝達してくれる、(退職代行サービス)と言うものを利用してみるのはいかがでしょうか?。

幾つかの業者を紹介してみたいと思います。
退職代行業者一覧
女性専門の退職代行サービス

こちらは女性向けのサービスです。相談は無料で、正式に依頼された場合には、本人に代わって会社側に退職の連絡などをしてくれるそうです。
ご依頼後の追加料金などは発生しないそうなので、もし気になる方がいたら、ぜひ一度相談だけでもされてみてはいかがでしょうか。
退職代行のプロとして、きっと皆さんの力になってくれると思います。
男性専門の退職代行サービス

こちらは男性向けのサービスです。こちらも相談無料は無料で、正式に依頼された場合のみ料金が発生し、本人に代わって会社側に退職の連絡などをしてくれるそうです。
こちらも、ご依頼後の追加料金などは発生しないそうです。
男女共に使える対処代行サービス

こちらは設立10年目の株式会社が運営している、とても安心感のある退職代行サービスとなっています。(こちらは男女問わずの利用できるようです)
労働問題専門の弁護士法人が運営している退職代行サービス

労働問題専門の弁護士法人が運営し、現役の弁護士及び社会保険労務士資格を有するプロが対応してくれる退職代行サービスとなっています。
もし良かったら参考にしてみて下さい。

