せっかく嫌な場所や人から離れたのに…
次に紹介するのはこんなお話です。
皆さんも今まで生きてきた中で、こんな経験ってありませんでしたか?。
例えば会社や学校などで嫌がらせや意地悪をする人がいて、その環境が嫌だと思って辞める決意をしたとします。
そして、次の会社や学校にせっかく転職や転校したのにも関わらず、何故か次の場所に行っても、前の職場や学校と同じで、そこでもまた嫌な事をする人に出会ってしまい、結局また次の会社や学校に転職や転校したくなってしまうと言う悪循環。
皆さんも今までに、こんな経験をしてしまったなんて事ありませんでしたか?。
苦手な人や環境から強引に離れて、周囲の状況全てが変わったはずなのに、結局何故かまた同じ事が起きてしまう。
う〜ん,こうなると本当に悲しくなっちゃいますよね…😢。
なぜこんな事が起きてしまうのかと言う理由、皆さんも知りたくありませんか?。
実はそこにはこんな理由があるらしいのです
ここから再び、サラとソロモンとの会話のやり取りが始まります
最悪の気分
ある日サラは、とても気分の悪い、最悪な一日を過ごしてしまいました。
ソロモンの雑木林に向かって歩きながら、今日はひどい一日だったなあ、とサラは思いました。
学校なんか大嫌い!。
と声に出して言ってしまいました。朝、学校の校庭に足を踏み入れた途端に感じたあの怒りの中に、また滑り落ちてしまったのです。この惨めな一日の出来事をあれこれ思い出しながら、ほとんど自分の足元だけを見つめて歩いて行きました。
中略
いつもの習慣から、サラはソロモンの雑木林に向かいました。最後の曲がり角を曲がって、サッカーさんの土地の細い道に入った時、サラは思いました。今日の気分はこれまでで最悪の最悪だと思う。特にソロモンに出会って以来、最悪の気分だ。サラはソロモンに不満を言いました。
私、学校が大嫌い。学校なんて時間の無駄だと思う。
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ソロモンはとても静かでした。
抜け出せない檻みたいなものだと思う。檻の中のみんなが意地悪で、一日中、人を傷つけようとしているのよ。
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それでも、ソロモンからは何の応答もありません。
生徒たちがお互いに意地悪だって言うだけでも酷い事なのに、先生達も意地悪なのよ、ソロモン。先生達だって、学校にいるのが好きじゃないんじゃないかなあ。
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ソロモンは目を見据えながら、ただそこにとまっていました。ソロモンの大きな黄色い目が時々瞬きするので、ソロモンがぐっすり眠ってしまっているのでは無い事だけは分かりました。
いたたまれない気持ちが湧き上がってくるにつれて、サラの頬を涙が伝わって行きました。
ソロモン、私、ただ幸せになりたいだけなのに。学校では絶対に幸せにはなれないと思う。
それなら、サラ、この町からも出て行った方がいいと思うよ。
ソロモンが突然口を開いた事にびっくりして、サラは顔を上げました。
なんて言ったの、ソロモン?この町を出る?。
そうだ、サラ。君が学校を去る理由が、その中に悪い事があるからだと言うのなら、この町も出た方がいいし、この地域からも、この国からも出て、この地球上からも、この宇宙からさえも消えてしまった方がいいと思うよ。
そうなったら、サラ、君をどこに送り出してやったらいいか分からないね。
サラは混乱してしまいました。こんなソロモンは、サラが仲良くなって大好きになったソロモンでもないし、いつも問題を解決する方法を教えてくれるソロモンでも無いように思えました。
ソロモン、何が言いたいの?。
あのね、サラ。僕はこう言う事を発見したんだ。この宇宙のすべての物事の中には、〈君が望んでいること〉と〈君が望んでいないこと〉と言う要素の両方が内在しているんだ。
どの人の中にも、どんな状況の中にも、どの場所の中にも、どの瞬間の中にも、その両方の要素のどちらかを選べるという選択肢が常に内在しているんだ。
いつでもずっとあるんだ。だからね、サラ、ある場所や状況の中に悪い事があるからと言う理由でそこを去るなら、次の場所に行っても、ほとんど同じ事が起こるって事なんだ。
「そんな事を聞いてもちっとも気分が良くならない。絶望的な感じがする。
サラ、君がやるべき事は、君が望んでいるものだけが存在する完璧な場所を探し出す事では無いんだ。君がやるべき事は、君の望んでいるものをすべての場所の中に見つけ出す事なんだ。
でもどうして?そんな事して、どんな得があるの?。
ええと、一つは、まず君の気分が良くなる。そして2番目には君が見たいと望んでいる物事についてもっと気がつくようになるにつれて、その場所がもっともっと君の経験の1部となっていくんだ。どんどん簡単になっていくんだよ、サラ。
でも、ソロモン、ある場所は他の場所よりもずっと酷い、って事があるんじゃないの?だって、学校は世界中で最悪の場所だもん。
そうだねえ、サラ、ある場所は他の場所よりも良い事を見つけ出すのがずっと簡単だと言う事はあるけれど、それはかなり大きな罠になってしまう事があるんだ。
それどう言う意味?。
何か嫌いなものを見て、それから離れるためにどこか別の場所に行こうと決めると、大抵、その嫌いなものも一緒に持って行ってしまう事になるんだ。
でも、ソロモン、私、あんな意地悪な先生や意地悪な子達を一緒に連れて行ったりしないわ
うん、おそらく同じ人々を連れていく事はしないだろう、サラ。でも、彼らとすごく似ている他の人々に出会う事になるんだ。どこへ行ったとしても。
サラ、〈同じ羽毛の鳥達〉の事覚えているね。〈光の板〉の事も覚えているね。
君が嫌いな物事を見て、それについて考えたり話したりする時、君自身がそれと同じようになってしまうんだ。そして、どこへ行っても、その嫌いなものもそこについてくるんだ。
ソロモン、そのこと、私、いつも忘れてしまう。
サラ、それについて忘れてしまうのはもっともな事だ。何故なら、君は、殆んどの人々と同じように、現状に反応する事を身につけてしまっているからだ。
いい状況に取り囲まれているなら、「いい気分になる」と言う反応をするけれど、悪い状況に取り囲まれているなら、「悪い気分になる」と言う反応をする。