皆さん、こんにちは。
突然ですが皆さんは今までに、引き寄せの法則について書かれた本などを、何か読んだ事があるでしょうか?。
世の中には引き寄せの法則について書かれた本が沢山ありますが、実際に読んでみて、内容的にちょっと難しいと感じた人も多いのではないでしょうか?。
今回紹介する本は、そんな引き寄せの法則の仕組みを物語形式で、誰もが楽しく学べるこちらの1冊です。『エスター・ヒックス&ジェリー・ヒックス著 加藤三代子訳 サラとソロモン※少女サラが賢いふくろうソロモンから学んだ幸せの秘訣』(ナチュラルスピリット)
この本の冒頭に、次のような言葉が書かれています。
ふくろうが教えてくれる幸せのステップ
『サラはいい気持ちを感じたくて、幸せになりたくて、愛想よくふるまいたいと思っているのに、周囲を見渡すと、いたずらっ子の弟や意地悪なクラスメートたち、いやな先生ばかりで、そうできるような状況がありません。
ある日ふくろうのソロモンが飛ぶのを見て、「空を飛べたらな〜」と言うサラに、ソロモンは空を飛ぶ方法を教えてくれます。
その方法とは、実はこの世界で幸せに生きるための方法と同じだったのです…..』。
これから少しだけ、この本の内容などを紹介していきたいと思いますので、良かったら読んでいただけると嬉しいです。
著者&訳者紹介

始めに、この本の著者と訳者の方について紹介したいと思います。
著者
この本の著者は、エスター・ヒックス&ジェリー・ヒックスと言う夫妻の方が、共同で執筆をされています。このお二人は、アメリカ人のスピリチュアルリーダー的な存在の人物でもあります。
妻であるエスターが、エイブラハムと言う見えない世界の存在からメッセージを受け取り、それを本やワークショップなどを通じて、世の中の人々に伝える活動をしています。
エイブラハムが教えるその教えは、世界中でも人気が高く、多くの人々から信頼されていて、日本語版の書籍も多数刊行されています。
ホームページ・http://www.abraham-hicks.com/
主な著書はこちら。
お金の引き寄せについて知りたい方はこちら↓
願いを叶える方法について知りたい方はこちら↓
以前書いた、著者の本の紹介記事はこちら↓
新訳 人間関係と引き寄せの法則 パートナー・家族・セクシュアリティの秘密
訳者
この本の訳者は加藤三代子さんと言う方が翻訳をされています。東京生まれで、米国ペンシルバニア州マンスフィールド州立大学英文学部卒業。米国オハイオ州立大学大学院、人文学部修士課程卒業。米国在住。
米国人学生対象の日本語教育、在米の某国際組織本部での翻訳などの仕事を経て、1990年代後半からスピリチュアルな分野の翻訳も行っているそうです。
本の内容紹介

ここからは、この本の内容について紹介してみたいと思います。
あらすじ
まず始めに、この本がどう言った内容の本なのかについて紹介したいと思います。
この本は、サラと言う一人の少女が、ある時偶然に言葉を喋るふくろう(ソロモン)と出会い、幸せに生きて行くためにはどうすればいいのかについて、ソロモンから学びながら成長していく、という物語になっています。
この本を読み進めていくと、周囲の人や環境がどうあったとしても、自分自身が常に幸せな状態でいられるのか、と言う事についてのヒントが貰えると思います。
そこで今回は、この本の中に出てくる2つのお話を紹介してみたいと思います
同じ羽毛の鳥達って本当なの?
ここで皆さんに質問です。皆さんはこんな事を思った事ってありませんか?。
引き寄せの法則と言うのは、似たもの同士は引き寄せ合うと言うものであり、別の言葉で表現するのなら、類は友を呼ぶ、ともよく言われたりしますよね。
確かに僕たちの周囲を見渡してみても、こう言う事例ってたくさん見かけたりすると思います。例えば、X(旧Twitter)などのSNSで仲良くなって繋がっている人達って、皆さんどんな人達でしょうか?。

読書が好き・動物が好き・絵を描く事が好き・写真が好き・料理が好き・ゲームが好き等々、好きなものは人それぞれですが、仲良くなる人って、自分と好きなものが同じ人達ではありませんか?。
これが類は友を呼ぶと呼ばれるもので、一番分かりやすい引き寄せの法則の一例だと思います。
でも時々、こんな状況を目にすることってありませんか?典型的な例としては、いじめっ子といじめられっ子と言う関係です。

いじめっ子といじめられっ子というのは、本来なら似ていない者同士のはずなので、そもそも最初から出会わないはずですし、引き寄せ合わないはずですよね?
では、どうしてこんな事が起きてしまうのでしょうか?
ここからいよいよ、サラとソロモンとの会話のやり取りが始まります。
豆電球が同時に

中略
なんていいお天気だろう!上体を反らして、いつになく暖かい冬の日の明るい青空を見上げながら、サラはこのお天気を味わい愛でました。いつもなら凍りついている道路や歩道は濡れて光っていました。
サラの歩く道の上を水がいくつもの筋になってちょろちょろと流れて、ところどころに小さな水たまりを作っていました。『ぶぅ〜〜ん』ジェイソンとビリーが一緒に叫びました。
自転車でぶつかりそうになるまで一目散に近づいてきて、サラの横をびゅんびゅん走りすぎて行きました。汚い水がサラの足にはねかかってしまいました。
ひどい子たち、まるで怪物だわ!
サラは叫びました。足から泥水が滴り落ち、サラは怒りで煮えくり返りました。これって全然辻褄が合っていない。この事、ソロモンに聞いてみなくちゃ。
サラの濡れた服は乾いたし、泥の汚れも殆ど洗い落とせたけれど一日の授業が終わる頃になっても、サラはまだ混乱して怒っていました。サラはジェイソンに対して怒っていたのですが、それは何も新しい事ではありませんでした。
でもそれだけではなく、サラはソロモンにも〈共鳴引力の法則〉にも、〈同じ羽毛の鳥達〉にも、意地悪な人々にも怒りを感じていました。実は、サラは殆どみんなに腹を立てていたのです。
いつも通りソロモンは柱にとまって、サラが来るのをじっと待っていました。
今日はいつもより興奮しているみたいだね、サラ、何を話したいの?。
ソロモン!あの共鳴引力って言うのには、何か間違いがあるわ!。
サラはつい口を滑らせてしまいました。ソロモンがそんな事はないと言うだろうと思って、サラはしばらく黙っていました。
先を続けてごらん、サラ。
あのね、ソロモンは、共鳴引力って言うのは、「同じ種類のものはお互いに引きつけ合う」って言うことだって言ったでしょ?でもね、ジェイソンとビリーは本当に悪い子達なのよ、ソロモン。
あの二人は一日の殆どを、他のみんなをどうやって嫌な気分にさせるかと言う事ばかり探そうとしているのよ。
サラは少し間を置きました。ソロモンがサラの言葉をさえぎるに違いないと、今でも思っていたからです。
先を続けてごらん、サラ。
「それでね、ソロモン、私は悪い子じゃないの。つまり、私なら、他のみんなに泥をひっかけたりしないし、自転車で人にぶつかったりしないわ。
私は小さい動物たちを罠にかけたり殺したりしないし、誰かの車のタイヤから空気を抜いたりはしないの。
だから、どうしてジェイソンとビリーは、私にいつもくっついてくるの?私たちは「同じ羽毛の鳥達」じゃないわ、ソロモン。私たち、違う種類なのよ!。
ジェイソンとビリーは本当に悪い子達だと思うのかい、サラ。
うん、そう思う!。
あの二人はいたずらっ子だ。それには賛成するよ、とソロモンは微笑みました。
でも彼らは、宇宙の中の人々や物事のどれと比べても似たりよったりなんだ。彼らも、自分の望んでいるものと、望んでいないものの両方が、ごちゃ混ぜになった生活をしている。
君の弟が何かいいことをしたのに気がついたことはないかい?。
そうね、あると思う。でも、めったにない」サラは口ごもって言いました。
そのことは後で考えてみなくちゃ。でもね、ソロモン、私まだわからないの。
どうしてあの二人はいつも私に嫌がらせばっかりするの?私はあの二人に嫌がらせなんてしないのよ!。
う〜ん、なるほど。確かにこれって、皆さんも不思議に思った事ありませんか?。本来似ていない者同士が、なぜ引き寄せ合ってしまうのでしょうか?
似ていない者同士が、何故か引き寄せ合ってしまう理由とは?
先ほどのお話でサラは、共鳴引力(引き寄せの法則)と言うのは、「同じ種類のものはお互いに引きつけ合う」という法則ならば、なぜ弟のジェイソンやその悪友であるビリーは、いつも私にくっついてくるのかという事を、ソロモンに尋ねていました。
確かにサラの言う通り、いつも他人が嫌な気分になるようなことばかりしている弟のジェイソンやその友達のビリーは、そんなことはしないと語っているサラとは「同じ羽毛の鳥達」ではないはずなので、本来なら引き寄せ合わないはずですよね?
ではなぜサラは、本来ならば引き寄せあわないはずの弟ジェイソンとその友人ビリーから、いつもいつも嫌がらせをされてしまうのでしょうか?
その理由についてソロモンは、次のように説明しています。
嫌いな人(状況)に意識を向けて抵抗すると、嫌いな人(状況)をもっと引き寄せてしまう
そうだね、サラ、実はこう言う事なんだ。どの瞬間でも、君は、自分の望んでいることに注意を向けるか、望んでいるものが無いと言う事に注意を向けるかを選ぶ事が出来るんだ。
君が望んでいるものに注意を向けている時には、ただそれを見ていると言うだけで、君自身の波動もそれと同じ波動になるんだ。君がそれと同じになるんだ。サラ、この事が理解できるかい?。
悪い人を見ているだけで、私も悪い人になるって言う意味なの?。
いいや、そう言う意味では無いんだ。でも、君は理解し始めているようだ。
君のベッドと同じ位の大きさの光の板を思い浮かべてごらん。
光の板?。

そうだ、サラ。クリスマス・ツリーに飾る小さな豆電球みたいな小さな光が、何千も表面から突き出している板だ。
光の海原だ。何千もの光があって、君はこの光の一つだと考えてごらん
君が何かに注意を向ける時、ただ君がそれに注意を向けていると言うだけで、この板の上の君の豆電球がついて、その豆電球の波動は君が注意を向けている対象と同じ波動になるんだ。
そしてその瞬間、板の上の豆電球の中でその時の君の豆電球の波動と調和する波動を持つ豆電球が全部同時につくんだ。
そして、ついている豆電球全部が、その時の君に取っての「世界」と言う事になる。それが、その時の君の波動で接近出来る人々や経験だ。

考えてごらん、サラ。君が知っている全ての人々の中で、君の弟のジェイソンは、誰を一番いじめている?。
サラはすぐに答えました。
私よ、ソロモン。ジェイソンはいつも私に嫌がらせをしているの!。

そして、君が知っている全ての人々の中で、、ジェイソンにいじめられている事に注意を向けてそれを一番嫌がっているのは誰だと思う?。
あの2人のいたずらっ子と調和する波動の〈光の板の豆電球〉をつけるのは、一体誰だと思う?。
サラは笑いました。やっと分かりはじめたのです。
それは私だわ、ソロモン。私が一番嫌がっている。私はジェイソンを見て、ジェイソンに怒りを感じる事によって、ジェイソンが嫌だと言う波動の〈光の板の豆電球》をつけっぱなしにしているのね。

そう、だからね、サラ、君が嫌いな何かを見て、それに気がついて、それを押し除けようとして、それについて考えている時、君は君の〈光の板の豆電球〉をつけているんだ。
それによって、同じ嫌な事をもっと経験する事になる。ジェイソンが近くにいない時でさえ、君の波動がその波動と同じになっている事がよくあるんだ。ジェイソンが近くにいた時に起こった最近の出来事を君が思い出しているだけで、そうなるんだ。
以上の事の利点は何かと言うとね、サラ、こう言う事なんだ。君がどう感じているかに気づいていれば、君の波動がどんなものと調和する波動になっているかがいつでも分かるんだ。
「それ、どう言う意味?。
君が幸せな時はいつでも、君が味わい愛でる気持ちを感じている時はいつでも、つまり、人々や物事の良い側面に気がついている時はいつでも、君の波動は君が望んでいる事と調和する波動になっていると言う事なんだ。
でも、君が起こっていたり怖がっていたりする時はいつでも、また、君が罪の意識を感じていたり落胆していたりする時はいつでも、その瞬間においては、君の波動は自分が望んでいない事と調和する波動になってしまっているんだ。
どんな時でもいつでもなの、ソロモン?。
そうだ。いつでもだ。君が感じている気持ちと言うものは、いつでも信頼出来るものなんだ。
それは君を導いてくれる仕組みなんだ。この事をよく考えてみるんだ、サラ
これからの数日間、君の周りの人々を観察する時、君が感じる気持ちによく注意してごらん
サラ、君の波動が何と調和する波動になっているのかを、自分で自覚してごらん。
わかった、ソロモン。やってみる。でも、これは結構難しそうだなぁ。沢山練習が必要かもしれない
その通りだ。練習の機会になるような人が、沢山君の周りにいて良かったね。これを楽しんでごらん。
そう言って、ソロモンは高く飛び去って行きました。
う〜ん、なるほど。望まない出来事や人に対して関心を向けると、そう言う人を引き離すどころか、逆にもっとそう言う人を引き寄せてしまう。
先のイラストで紹介した事例の仕組みとは、実はこう言う事が原因だったんですね。
現状が望まない状況だった場合はどうすればいいの?
先ほどのお話でソロモンは、「君が嫌いな何かを見て、それに気がついて、それを押し除けようとして、それについて考えている時、君は君の〈光の板の豆電球〉をつけているんだ」、と語っていました。
するとその結果として、同じ嫌な事をもっと経験する事になってしまう、というお話をされていました。
でも現実問題として、望まない出来事に遭遇してしまったり、そう言う人が実際に目の前にいたとしたら、そう言う人や出来事に関心を向けずに、幸せで良い気分で過ごす事なんて難しい気がしますよね…。
でもソロモンは、周囲の人や出来事によって自分の幸不幸が決まる、と考えている時というのは、僕たちが、罠にハマってしまっていると次のように語っています。
君の幸せは、周りの状況で決まるものなの?
ソロモン、あなたになら簡単な事だと思うけど、とサラは考えていました。
だって、あなたは誰と一緒に時間を過ごすかを自分で決める事が出来るんだもの。あなたは、リンやトミーのような子達がいる学校に行かなくていいし、ジェイソンと一緒に暮らさなくてもいいんだもの。
すると、ソロモンがその場にいてサラの耳に向かって喋りかけているかのようにはっきりと、ソロモンの声が聞こえました。
君の幸せが他の誰かがやったりやらなかったりする事にかかっている時、君は罠にはまっているんだ。なぜなら、他の人々が考える事や行う事を、君がコントロールする事は出来ないからさ。
自分の喜びは他人にかかっているのではないと言う事が分かったら、その時には、本当に自由になれるんだ。それは、君が夢見た事のあるどんな途方も無い夢よりも素晴らしい自由だ。
そして、君が喜びを感じられるかどうかは、君自身が何に対して自分の注意を向ける事を選ぶか、と言うことだけにかかっているんだよ。
う〜ん、なるほど。自分の幸せというのは他人の行動などは関係なく、僕たち自身が、何に注意を向けるのかを選ぶという事にかかっているんですね。
せっかく嫌な場所や人から離れたのに…
では、次に紹介するのはこんなお話です。皆さんも今まで生きてきた中で、こんな経験ってありませんでしたでしょうか?。
例えば会社や学校などで嫌がらせや意地悪をする人がいて、その環境が嫌で離れたいと思い、転校や転職などを決断し、実際に転校や転職をしたとします。

でも何故か、せっかく転職や転校したのにも関わらず、そこでもまた嫌な事をする人に出会ってしまい、結局また転職や転校したくなってしまったなんて経験、皆さんにもありませんか?

苦手な人や環境から強引に離れて、周囲の状況全てが変わったはずなのに、結局何故かまた同じ事が起きてしまう。
う〜ん、なぜこんな事が起きてしまうのでしょうか?
実はそこには、ある理由があるらしいのです。ここから再び、サラとソロモンとの会話のやり取りが始まります
最悪の気分

ある日サラは、とても気分の悪い、最悪な一日を過ごしてしまいました。ソロモンの雑木林に向かって歩きながら、今日はひどい一日だったなあ、とサラは思いました。
学校なんか大嫌い!。
と声に出して言ってしまいました。朝、学校の校庭に足を踏み入れた途端に感じたあの怒りの中に、また滑り落ちてしまったのです。この惨めな一日の出来事をあれこれ思い出しながら、ほとんど自分の足元だけを見つめて歩いて行きました。
中略
いつもの習慣から、サラはソロモンの雑木林に向かいました。最後の曲がり角を曲がって、サッカーさんの土地の細い道に入った時、サラは思いました。今日の気分はこれまでで最悪の最悪だと思う。特にソロモンに出会って以来、最悪の気分だ。サラはソロモンに不満を言いました。
私、学校が大嫌い。学校なんて時間の無駄だと思う。
…………………………………..。
ソロモンはとても静かでした。
抜け出せない檻みたいなものだと思う。檻の中のみんなが意地悪で、一日中、人を傷つけようとしているのよ。
……………………………………..。
それでも、ソロモンからは何の応答もありません。
生徒たちがお互いに意地悪だって言うだけでも酷い事なのに、先生達も意地悪なのよ、ソロモン。先生達だって、学校にいるのが好きじゃないんじゃないかなあ。
…………………………………..。
ソロモンは目を見据えながら、ただそこにとまっていました。ソロモンの大きな黄色い目が時々瞬きするので、ソロモンがぐっすり眠ってしまっているのでは無い事だけは分かりました。
いたたまれない気持ちが湧き上がってくるにつれて、サラの頬を涙が伝わって行きました。
ソロモン、私、ただ幸せになりたいだけなのに。学校では絶対に幸せにはなれないと思う。
それなら、サラ、この町からも出て行った方がいいと思うよ。
ソロモンが突然口を開いた事にびっくりして、サラは顔を上げました。
なんて言ったの、ソロモン?この町を出る?。
そうだ、サラ。君が学校を去る理由が、その中に悪い事があるからだと言うのなら、この町も出た方がいいし、この地域からも、この国からも出て、この地球上からも、この宇宙からさえも消えてしまった方がいいと思うよ。
そうなったら、サラ、君をどこに送り出してやったらいいか分からないね。
サラは混乱してしまいました。こんなソロモンは、サラが仲良くなって大好きになったソロモンでもないし、いつも問題を解決する方法を教えてくれるソロモンでも無いように思えました。
ソロモン、何が言いたいの?。

あのね、サラ。僕はこう言う事を発見したんだ。この宇宙のすべての物事の中には、〈君が望んでいること〉と〈君が望んでいないこと〉と言う要素の両方が内在しているんだ。
どの人の中にも、どんな状況の中にも、どの場所の中にも、どの瞬間の中にも、その両方の要素のどちらかを選べるという選択肢が常に内在しているんだ。
いつでもずっとあるんだ。だからね、サラ、ある場所や状況の中に悪い事があるからと言う理由でそこを去るなら、次の場所に行っても、ほとんど同じ事が起こるって事なんだ。
「そんな事を聞いてもちっとも気分が良くならない。絶望的な感じがする。
サラ、君がやるべき事は、君が望んでいるものだけが存在する完璧な場所を探し出す事では無いんだ。君がやるべき事は、君の望んでいるものをすべての場所の中に見つけ出す事なんだ。
でもどうして?そんな事して、どんな得があるの?。
ええと、一つは、まず君の気分が良くなる。そして2番目には君が見たいと望んでいる物事についてもっと気がつくようになるにつれて、その場所がもっともっと君の経験の1部となっていくんだ。どんどん簡単になっていくんだよ、サラ。
でも、ソロモン、ある場所は他の場所よりもずっと酷い、って事があるんじゃないの?だって、学校は世界中で最悪の場所だもん。
そうだねえ、サラ、ある場所は他の場所よりも良い事を見つけ出すのがずっと簡単だと言う事はあるけれど、それはかなり大きな罠になってしまう事があるんだ。
それどう言う意味?。
何か嫌いなものを見て、それから離れるためにどこか別の場所に行こうと決めると、大抵、その嫌いなものも一緒に持って行ってしまう事になるんだ。
でも、ソロモン、私、あんな意地悪な先生や意地悪な子達を一緒に連れて行ったりしないわ
うん、おそらく同じ人々を連れていく事はしないだろう、サラ。でも、彼らとすごく似ている他の人々に出会う事になるんだ。どこへ行ったとしても。
サラ、〈同じ羽毛の鳥達〉の事覚えているね。〈光の板〉の事も覚えているね。
君が嫌いな物事を見て、それについて考えたり話したりする時、君自身がそれと同じようになってしまうんだ。そして、どこへ行っても、その嫌いなものもそこについてくるんだ。
ソロモン、そのこと、私、いつも忘れてしまう。
サラ、それについて忘れてしまうのはもっともな事だ。何故なら、君は、殆んどの人々と同じように、現状に反応する事を身につけてしまっているからだ。
いい状況に取り囲まれているなら、「いい気分になる」と言う反応をするけれど、悪い状況に取り囲まれているなら、「悪い気分になる」と言う反応をする。

殆どの人々は、まず最初に完璧な状況を見つけなければならないと考えている。そして、完璧な状況を見つけたなら、やっと「幸せになる」と言う反応が出来ると考えているんだ。
でも、こう考えているから、人々は酷い挫折感を感じてしまう事になるんだ。何故なら、状況をコントロールする事は自分には出来ないと言う事が、すぐに分かるからだ。君が学んでいる事はね、サラ、すでに完璧に出来上がっている状況を見つける為に君がここにいるのでは無い、と言う点なんだ。
君がここにいるのは、味わい愛でる事ができる物事を選ぶ為なんだ。味わい愛でる事によって、君自身の波動が、君が見つけようとしていた完璧な状況の波動と同じ波動になる。そうしてこそ、その完璧な状況を自分に引き寄せられるんだ。
そうかもしれないけど…..。
サラはため息をつきました。こう言った事は、理解出来る範囲を超えているように思えたのです。
サラ、これは君が思っているほど複雑な事では無いんだ。実は、人々が自分達を取り囲む状況から意味を見つけ出そうと努力する際に、この事を必要以上に複雑なものにしてしまっている。
「すべての状況の一つ一つがどのようにして作り出されているのか」と言うような事を解明しようと努力するなら、人は酷く混乱してしまう事になる。そんな事を全部上手く整理しようとしても、頭がこんがらがってくるだけだろう。
でも、もしも君がただ自分の心の扉が開いているか閉じているかだけに注意を払うのなら、君の人生はもっとずっと簡単で、ずっと幸せなものとなるんだ。
でも、ソロモン。
と、サラは反論しました。
他のみんなが怒っていて意地悪な学校の中で、私の〈心の扉〉を開けておく事が、一体何の得になるの?。
まず第一に、〈心の扉〉が開いている時には、意地悪な事にはあまり気が付かないし、君の目の前で意地悪さが消えてしまう事もある。開きかけた〈心の扉〉や閉じかけた〈心の扉〉の端っこでためらっている人々が沢山いるんだ。
だから、そう言う人々が君と接して、君の〈心の扉〉が大きく開いていたら、その人達は容易に君の微笑みにつられて微笑んでくれたり、愛想のいい応対をしてくれる。
それに、覚えておくべき事は、開いている〈心の扉〉と言うのは、今現在起こっている事に影響を与えるだけではないと言う事だ。それは明日にも、明後日にも影響を与えている。
だから、いい気持ちでいられる「今日」を沢山体験すればするほど、「明日」や「明後日」の状況がどんどん気持ちの良いものになって行くんだ。
これを練習してごらん、サラ。
今と言う瞬間においてはどんなに悪い状況のように見えても、どんな状況も、自分の〈心の扉〉を閉じてしまうには値しないと言う決断をするんだ。
自分の〈心の扉〉をずっと開いておく事が一番重要な事だと決めてごらん。
サラ、覚えておくといい言葉を教えてあげよう。出来るだけ頻繁にこれを言ってみることだ。『何がなんでも、〈幸せの流れ〉に向かって〈心の扉〉を開けたままにしておこう』と言う言葉だ。
じゃあ、そうしてみる、ソロモン。
と、サラは素直に答えました。今聞いた事の全ては、なんだかまだ確信が持てないような気がしていましたが、ソロモンが教えてくれた他のテクニックを試してみるようになってから、全体的に色々な事がずいぶん良くなってきた事を思い出したからです。
ソロモンの雑木林を出て行きながら後ろを振り返ったサラは、
練習してみる〜。上手く行くといいけどぉ〜!。
と叫びました。そして心の中では、何が起こってもいい気分でいられるのなら、それは本当に素敵なことだ。それこそが、本当に私が望んでいる事なんだ、と思っていました』。
これでこの章のお話は終わりです。
う〜ん、なるほど。僕たちが幸せに生きていくために大切なこととは、何がなんでも、〈幸せの流れ〉に向かって〈心の扉〉を開けたままにしておくという事なんですね。
以上で、今回の本の内容紹介は終わりです。
この本は引き寄せの法則についての知識を、物語り形式で楽しく学べる1冊となっていますので、子供から大人まで、幅広い世代の方にオススメできると思います。
引き寄せの法則について学びたいと思われている方は、ぜひ本書を読んでみてはいかがでしょうか。
終わりに
いかがだったでしょうか。
この本では基本的に、サラが日常生活の中で感じた素朴な疑問について、賢いふくろうの先生ソロモンが、それに対して答えていくと言う、質疑応答形式で物語は進んでいきます。
これまでにも、ワークショップ活動や引き寄せの法則についての関連書籍を数々出版されてきた著者達が、なぜ今回物語形式という新しい形で、引き寄せの法則についての本を出版されたのでしょうか?
著者はこの本の最後で、読者に向けてその理由を次のように語っています。
読者の皆さんへ

エスター&ジェリー・ヒックス『人々は教えられるよりも、楽しませてもらいたいのだ」と述べたのは確か、著名な出版業者ウィリアム・ランドルフ・ハーストだったと思う。
だとすれば、「楽しませる形で教える」というのが、情報を伝えるには最も効果的な形態ということになるだろう。個人にとって重大な価値のある情報の場合も例外ではない。
「サラとソロモン」は、楽しませると同時に教える本でもある。エスターが受け取ってワープロで書き留める高次元のメッセージは、読者の求めに応じて流れて行く。
愉快な鳥の先生がサラに優しく教えてくれる。完全無欠な叡智と無条件の愛の流れは、サラの家族、同級生、隣人、先生を取り巻く学びの経験の流れと混ざり合い、自然な幸せの状態について新たに気づかせてくれる。それは、「すべてうまくいっている」という理解である。
この本を読みながら、自分とは誰か、なぜここにいるのか考えてみてほしい。そしてゆっくり一読した後は、あなたにとって大切なすべてのことに向かって、あなたがどれだけ迅速に進歩することができたかを確かめてほしい。
このシンプルだが示唆に富む短い物語から得られる明確な観点によって、喜びあふれる満ち足りた新次元を必ず経験できることだろう』。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
続編についての紹介
実はこのサラとソロモンと言う本には、続編があります。一つ目は(物語で読む引き寄せの法則・サラとソロモンの友情)と言うこちらの本です。この本が2冊目の本になります。(翻訳者や出版社などが違うようです)。
そしてもう1冊がこちらの本です。こちらの本が3冊目になっています。
どちらの本も基本的には引き寄せの法則を、物語形式で楽しく学べるという内容の本になっていますが、こちらの2冊ではサラとソロモン以外にも登場人物が増えて、さらに深く引き寄せの法則についての知識を学べる1冊になっています。
また機会があれば、こちらの本の紹介記事なども書いてみたいと思っていますので、その際はまた読んで頂けると嬉しいです。