皆さん、こんにちは。
早速ですが、皆さんには今何か、叶えたい夢や目標などがありますか?。特に、芸術などのアート分野で…。
例えば世の中には、画家になりたいと言う人もいれば、歌手になりたいと言う人、映画監督や俳優、小説家や脚本家などなど、自分の創造性を活かした芸術分野で、活躍したいと思っている人も多いと思います。
でも、そんな思いと同時に、どこかで(そんなこと自分には無理かも…)っと、夢を途中で諦めようとしていませんか?。
今回紹介する本は、そんな夢を途中で諦めかけようとしている、すべての皆さんにおすすめする1冊です。
パム・グラウト著・『こうして、夢は現実になる』
先に断っておきますが、この本には、夢を現実にする為の、具体的な方法や手順が書かれている訳ではありません。(例えば絵の描き方や、小説の書き方、出版社やレコード会社などに、売り込む方法や契約の取り方などの事です)
では、どんな事が書かれているのかと言うと、この本では、創作活動をしていく上で誰もが直面する、様々な(ネガティブ思考)や(思い込み)、(不安)や(恐れ)に対して、どのように対処したらいいのかと言う具体的な方法を、著者独特のユーモアを交えた文章で、読者に分かりやすく伝えています。
著者は本の冒頭で、こんな事を語っています。
パム・グラウト・『これは、「クリエイティビティー」(創造性)についての疑問や葛藤から生まれた本だ。この本を書いたのは、創造性を高めてくれるような「大きな存在」とつながりたいという強い願いがきっかけだった。
この「大きな存在」は、私にライターという仕事を授け、ライターの仕事に必要なスキルを与えてくれた。
私はこの本に、時間を超えたメッセージがあると信じている。そして、あなたも同じことを思ってくれることを願っている』。
著者の言う(大きな存在)とは一体何なのでしょうか?
これから少しだけ、この本の内容紹介をして行きたいと思いますので、良かったら読んで頂けると嬉しいです。
著者&訳者紹介
始めに、この本の著者と訳者の方を紹介をしたいと思います。
著者
この本の著者は、パム・グラウトさんと言うアメリカ在住の女性の方です。ニューヨークタイムズのベストセラー作家でもあり、これまでに出版された著作物は18冊。それ以外にも、映画の脚本を2本、舞台の脚本を4本、テレビシリーズの脚本を1本の、計7本を手がけ、それ以外にも、2つのiPhone用アプリも制作された経験があるそうです。
元々本業はライターをされている方だそうで、今までに「ピープル」誌、「メンズ・ジャーナル」誌、ウェブサイトの「CNNトラベル」、「ハフィントンポスト」などで記事を執筆し、それ以外にも、自身の旅行ブログの執筆活動などもされているそうです。
趣味は、ピックルボールとクロスワードパズル。
以前にこちらのサイトで著者の本を紹介した事がありますので、もし良かったら、そちらの記事も読んで頂けると嬉しいです。
訳者
この本の翻訳をされた方は、桜田直美さんと言う女性の方です。
早稲田大学第一文学部を卒業し、現在は翻訳家として活躍されているそうです。
主な訳書は、『脳は「ものの見方」で進化する』、『THE CULTURE CODE 最強チームを作る方法』(かんき出版)、『睡眠こそ最強の解決法である』(SBクリエイティブ)などなど、多数翻訳されています。
(・ちなみに、パムグラウトさんが以前に書かれた、「こうして、思考は現実になる」、「こうして、思考は現実になる2」、「『感謝』で、思考は現実になる」と言う本は、すべて桜田さんが翻訳をされています。)
本の内容紹介
ここからは、この本の内容紹介をして行きたいと思います。
先ほども少し書きましたが、この本には、絵の描き方や文章の書き方、出版社やレコード会社などに売り込む方法など、アート(芸術)分野で活躍する夢を叶える為の、具体的な方法や手順が書かれている訳ではありません。
この本では、著者から毎週与えられる、全部で52個ある創造のプロジェクトと呼ばれる課題を、1週間に一つずつこなしていくと言う内容の本になっています。
創造のプロジェクトと聞くと、何かとてつもなく難しい課題が出されるのではないかと心配になると人もいると思いますが、ご安心ください。
どれもとても簡単で、誰にでも気軽にチャレンジ出来るものばかりです。
例えば、こう言った課題です。
①・SNSとテレビに使っている半分を、アートにあてる
・SNSとテレビに使っている全ての時間を記録して計算し、翌週からはその時間を半分にする。
そしてその余った半分の時間を使い、全てのアーティストにインスピレーションを与えると言われている美の女神、ミューズとの交信にあてる。(自分の叶えたい夢について考える時間に使ってみる)
②・ノートに、3つのアイデアを書いてみる
・ノートを1冊用意して、毎日3つのアイデアをそのノートに書き込んで行きます。どんなアイデアでもよくて、例え良いアイデアでなくても全然問題はありません。この課題の目的は、普段使っていなかった(想像力)を筋肉を鍛える目的のものです。
いかがでしょうか?。これなら誰にでも簡単にできそうですよね。
それ以外にも、(自画像を描く)と言った課題や、(アートの名札を作る)と言った課題、なかには(とんでもないコスチュームを着る)と言った、いっぷう変わった課題もあります。
ただ、これらの話を聞いてみて、きっとなかにはこう思った人もいると思います。
「こんな事をする事が、夢を叶えたり、創造性を高めるのに、一体どんな意味があるの?」っと….。
著者はその目的について、こう語っています。
さあ、創造性を高めるたびに出よう!
パム・グラウト・『この本のプロジェクトは、アートのすべてを網羅している。文章を書くこともあれば、絵を描くこともある。
パフォーマンスアートに挑戦する事もあれば、歌う事もある。もちろん、新しいビジネスを発明することだって、立派なアートだ。
この本に登場するプロジェクトは、これまでの退屈な自分から「脱獄」するための7つ道具だ。どれもシンプルだけど、破壊的なパワーを秘めている。
これまで積み重ねてきた常識を破る許可を自分に与えよう。映画「大脱走」のスティーブ・マックイーンのように、バイクに乗って有刺鉄線の策を飛び越えよう。
自由になったあなたは、全く新しい自分を発見し、今までとは違う目で世界を眺めるようになるだろう』。
この本では、各週の課題のほかに、(成功者も、同じ道を歩んだ)と言うタイトルの、有名アーティストの様々な逸話なども紹介されています。
これを読むと、世の中で成功した数多くの有名アーティストの方達も、不安や恐れ、挫折感など、僕らが感じるのと同じような体験を、誰もがされていると言う事がよく分かると思います。(一部この記事内でも紹介してあります)
第1章・まずは、「できないかもしれない」の思い込みをぶちこわす
世の中には、絵を描いたり、歌を歌ったり、小説を書いたり等々、自分の好きなアート活動によって、夢を実現させたいと願っている人も多いと思います。
しかし、これは別にアートなどの創作活動だけに限った話ではありませんが、僕たちが夢を実現しようとする際に、ある3つの思考が、夢の実現の邪魔をするそうなのです。
著者はこの本の中で、まず最初に教えているのが、この夢の実現の邪魔をする、『敵』の存在を知る必要性を説いています。
第2週・夢をかなえる「敵」を知るレッスン
あなたの夢を邪魔する「とある思考」
パム・グラウト・『あなたはもう、うずうずしているかもしれない。いますぐ絵筆を握り、美しいアートを生み出すのが待ち切れないかもしれない。
でも、ここで忠告がある。その願いは、もしかしたらかなえられないかもしれない。
少なくとも最初のうちは。
毎日の創作活動を始めると、最初のうちは恥ずかしいことや、面倒なことがたくさん起こるだろう。でも、だからといって特に心配することはない。
ただ、あなたの創造性はまだ目覚めていないと言うだけだ。
中略
ここで断言しよう。あなたには確かに作りたいものがある。世界に伝えなければならない大切なことがある。その確信があるだけで、前に進んでいけることもある。しかし、大抵はそうはならない。
沼の中は、ワニがうようよしている。悲しいけれど、これが現実だ。
今週は、そんなワニの群れと正面から向き合う。
私たちの前に立ちはだかる敵、すべてのアーティストの前に立ちはだかる敵の正体を暴いていく』。
う〜ん、創作活動に励む全てのアーティストの敵とは、一体何なのでしょうか?
詳しく、一つずつ見ていきましょう
(夢がかなうのを邪魔する敵①)先延ばし
パム・グラウト・『創造的な何かを始めようと決心すると、小さな声が聞こえてくる。または、聞こえるような気がする。
でも、そこではっと我に帰り、こう考える。
「私ったら何を考えているの?確かにアーティストになりたいけれど、今日はまだダメ。明日なら始められるかもしれないけれど、今はまだそのときではない」
そしてあなたは、いつもと同じ日常をくり返す。逃げ出したいと思っていたはずの人生に戻っていく。
創造したいという気持ちが芽生えると、それを否定する言い訳が次から次へと浮かんでくる。
中略
でもあなたは、まさにそんな人生を変えたいと思っているはずだ』。
う〜ん、この一つ目の(先延ばし)って、誰もが思い当たる節がありませんか?。
いつかやろう、いつかやりたいっとずっと思い続けながら、結局やらずにまた同じ日常が繰り返されて行ってしまう…。
でも本当は心のどこかで、そんな自分を変えたいと誰もが思っているんですよね。
(夢がかなうのを邪魔する敵②)変化への不安
パム・グラウト・『変化に不安はつきものだ。特に創造活動のようなリスクの大きな変化は、それだけ不安も大きくなる。どんなアーティストも、いつも綱渡りをしているような気分だ。
でも、あなたは「イエス」と言ったのだ。もう怖がって隠れることも、縮こまっている事もできない。
もちろん誰だって、そんな恐ろしいことに挑戦するのは嫌に決まっている。
体中の細胞が抵抗するだろう。あなたの体はとっさに回れ右をする。頭の中では「やめろ!」の大合唱が起こる。
何か新しいことを始めるときは、まず自分自身に抵抗されることを覚悟しよう。
中略
ミューズには作品のアイデアがたくさんある。さまざまな物語、歌、絵画を、世界に届けたいと思っている。
でもそのためには、毎日必ず現れる人に創造してもらわなければならない』。
う〜ん、①と少し似ている部分もありますが、これも誰もが、経験した事があるのではないでしょうか?
人は誰もが変わりたいと思いながらも、変化することに対しての不安も、また同時に抱えてしまうんですよね。
(夢がかなうのを邪魔する敵③)自分を疑う気持ち
パム・グラウト著・『あなたはきっと、自分の作品全てが気に入らないだろう。「まったくの駄作。こんなことをしても時間のムダだ」と思うにちがいない。
何かを創造するときは、失敗作もたくさんできる。あまりにひどいので、「自分には才能がない」とあきらめたくなってしまうだろう。
でもあきらめずに続けていれば、だんだんといいものが作れるようになる。さらに、簡単にできるようにもなる。
もちろん練習は必要だ。時間もかかる。恐怖もある。「なんで創造の世界なんかに足を踏み入れてしまったのだろう」と、後悔することもあるだろう。
そんなときは、「ハレルヤ!」と叫んで発散しよう。たくさんひどい文章を書き、たくさん下手くそな絵を描くほど、いい作品に近づいていく。最初からうまくいくはずがない』。
う〜ん、これも誰もが経験した事があるのではないでしょうか?
特に、一番最初の自分の理想が高ければ高いほど、作品作りをする度に(こんなんじゃ全然ダメ)とか、(自分には才能なんてないのかも)と言って、途中で挫折してやめてしまう事も多いですよね…
どうすれば願いを叶える事ができるのか?
先ほどまでのお話では、僕たちの夢の実現の邪魔をする、3つの敵の存在について紹介しました。
読んでみるとそのどれもが、誰もが身に覚えがあるものばかりだったのではないでしょうか?。
どうやら僕たちが夢を現実にする為には、この3つの敵を攻略していく必要があるようですね。
では、一体どのように攻略をしていけばいいのでしょうか?。著者はその方法を具体的に解説しています。
一つずつ攻略法を見ていきましょう。
夢の実現を邪魔する思考①(先延ばし)の攻略法
まず最初は、先延ばしの攻略法についてのお話です。
皆さんも、突然何かをしよう(したい)と思い立っても、急に我に返って、(いや、今日からじゃなくて、明日から始めよう)と言って、行動を先延ばしにしてしまった経験って、今までにありませんか?。
先延ばしの理由の一つとしてよく使われるのが、正しい技術をきちんと学び習得してからアート活動を始めるという言い訳です。
これはたぶん、一番多く使われる先延ばしの理由の一つかもしれませんよね。
(正しい技術を学び習得してからアート活動を始める)と言うのは、一見当たり前の事なんじゃないかと思われるかもしれませんが、著者はこの(先に技術を学んでからアート活動を始める)と言うこの考え方を、あまりオススメしていません。
それはなぜなのでしょうか?。著者はその理由をこう説明しています。
第4週・勉強をやめるレッスン
夢をかなえるために、学校に通わなくてもいい
パム・グラウト・『新しいアートを始めようとすると決心した人は、たいてい「まずはきちんと勉強しなければ」と考える。そして、教室に通ったり、本を読んだり、専門家のアドバイスを求めたりする。
たしかに、外部の助けが必要な時もある。とはいえ、真っ先に勉強しようと考えるのはあまりおすすめできない。
人に道を教えてもらうと、少なくとも2つの障害を作ることになる。
一つは時間を無駄にすること。「絵を描くならまず絵の描き方を勉強しないと」などと言って、ずるずると先延ばしにしてしまう。
中略
「でも」と、あなたは反論するだろう。
「そんなこと言われても、本当にやり方がわからないんだもの。小さな記事も書いたことがないのだから、ましてや本なんて書けるわけがない。
自分で登場人物を考えた事もないのだから、脚本なんて書けるわけがない。助けが必要なの」
もっともな言い分だと思うかもしれない。でもその正体は、ただの引き伸ばし作戦だ。
始める前にきちんと勉強したいと考えるのは、確かに大人の分別のように思えるかもしれない。
でも、あなたを突き動かす情熱は、大人の分別なんて全く必要としてない。むしろ、もし本当に持ってしまったら、情熱が大人の分別を身につけて台無しになってしまう。
大人の分別の常識的な作品なんて、誰が見たいと思うだろうか?
スキルを磨くのは後からでもできる。あなたの頭蓋骨の中で飛び回っているアイデアを表に出してからでもかまわない。まずは情熱のまま動くことが大切だ』。
う〜ん、なるほど。何かを(やろう)や(やってみたい)と思ったとき、僕達はすぐに、ちゃんとした技術を身につけてからやろうと思う事がよくあると思いますが、それは実は、単なる引き伸ばしの口実にしているだけだったんですね。
まずは、情熱にただ素直に従い、やってみると言う事が大切と言う事ですね
・ベストセラー作家のメアリー・カーは書いている間はいつも頭の中でこんな言葉が飛び交っているという。「ありえない。信じられない。私が物書きなんかになってしまったのは誰のせいよ」
・40年ちかく活躍し続けているミュージシャンのフィル・コリンズは、30歳のときにソロデビューアルバム「夜の囁き」をリリースすると、自分のキャリアはもう終わりだと確信した。
・ピューリッツァー賞を受賞した詩人のアン・セクストンは、詩の教室に通うのが怖くてたまらなかった。見かねた友人が教室に電話をして代わりに登録してあげた
創作したいという情熱に素直に従う
先ほどの著者の話を聞いて、こう思った人もいると思います。
でも、ちゃんとした技術を学んでからでないと、きちんとした創作物は生み出せないのでは?…っと。
つまり、絵を描くには絵の描き方を学び、脚本を書くには脚本の書き方をまずきちんと学んでからでないと、そもそも、そう言った作品を生み出す事すら出来ないのでは?…と言う疑問についてです。
確かに、正しい作り方を学んでから始めると言うのが、ごく自然な流れだと思いますが、著者によるとこの方法を取ると、ある問題が生じてしまうそうなのです。
ある問題とは?。著者はこう語ります。
芸術の女神「ミューズ」に選ばれる人、選ばれない人
パム・グラウト・『本を読み終えるまで待っていたら、1週間ぐらいすぐにたってしまう。学校に行ってからなどと言っていたら、1学期は待たなくてはならない。完璧なスキルを手に入れるまで待っていたら、人生が終わってしまう。
その頃には、情熱はしぼみ、アイデアは新鮮味を失っているだろう。キッチンの窓に何十年もかかっている、日に焼けて色褪せたカーテンみたいなものだ。
火が消えてしまったら、書かない理由はいくらでも出てくるだろう。それでも頑張って書いたところで、生き生きとした躍動感はすでに失われている。そこであなたは考える。
「あの書きたい気持ちはどこへ行ってしまったのだろう?また別の教室に通った方がいいのだろうか?」
ミューズの呼び声が聞こえたら、すぐに応じなければならない。そうでないと、ミューズはあなたを諦め、他の誰かを探しに行ってしまう。
ミューズが求めているのは、呼びかけにすぐにこたえ、贈り物を世界に届けてくれる人だ。
俳優で劇作家のサム・シェパードは、生涯で40以上の舞台を書いている。最初の作品を書いたのは21歳の時だった。当時のシェパードは、脚本の学校に通った事もなければ、正式に演劇を学んだ事さえなかった。
それでも彼は、ありがたいことにまだ若くて世間知らずだった。「正しい脚本の書き方」なんて気にしなかった。二週間に1本のペースで書くのは多すぎると教えてくれる人もいなかった。
彼はただ、自分が創作したキャラクターの声だけを聞いていた。
中略
ミューズの声が聞こえたら、あなたのいくべき場所は本屋や絵画教室ではない。すぐに創作に飛び込もう。自分のアイデアを信じよう。どうすればいいかは、そのアイデアが全て教えてくれる。
燃える情熱は、質問でもあり、答えでもあるのだ。今すぐに始めよう』。
う〜ん、なるほど。確かに、きちんと学んでから創作物を作ろうと考えていると、技術を習得するのがメインになって、だんだんと創作したいという(情熱)や(熱意)が消えていき、色々な理由をつけては、創作活動を先延ばしにしてしまう原因になりかねませんよね?
先延ばしを防ぐためには、今すぐに創作活動に取り掛かる事が大切だと言う事ですね。(もし技術が必要なら、後から学べばいい訳ですから)
・「20世紀のもっとも重要な作家の一人」と言われるジェイムズ・ジョイスは、毎日書き始めるまでに、タバコを半箱吸ってコーヒーを何杯も飲んでいた。そこまですると先延ばしする言い訳がなくなるので、やっと書き始める事ができる。
・ニューヨークに拠点を置くコラムニストのカルヴィン・トリリンは、文章を書く前に、まず頭に浮かんだ事を全て書き出している。彼はこの最初の段階を「ゲロを吐く」と読んでいる。人に見せられるようなものではないので、片付ける前に誰かに見られたらどうしようとヒヤヒヤしているという。
・14冊の名作小説を書いたカート・ヴォネガットは、かつてこんな事を言った。「書くときは、まるで手足がなくなり、口にクレヨンを加えているような気分になる」
夢の実現を邪魔する思考②(変化への不安)の攻略法
続いての攻略法は、(変化への不安)についての攻略法です。
人が何かをしようと思った時、その思いの足枷(あしかせ)になってしまうのが、変化する事に対しての不安なのだそうです。
心理学などでは、私たち人間には(コンフォートゾーン)と呼ばれるものがあり、ウィキペディアによるとコンフォートゾーンとは、「快適な空間」を意味する語であり、ストレスや不安が無く、限りなく落ち着いた精神状態でいられる場所の事を言ったりもします。
何か新しい事をやりたいと思いながらも、なかなか始める事が出来ない原因の一つが、この変化することに対しての不安があるかららしいのです。
そしてこれは、すでにライターとしても、作家としても成功している著者の場合であっても、この不安や恐怖と言うものは存在するそうなのです。
著者は、自らが経験した恐怖と不安についてのお話を、こんな風に語っています。
第6週・恐怖と不安を消すレッスン
「毎日ブログを書く」ことの、大きな効能
パム・グラウト・『これから規律について話をしよう。そしてこれは、恐怖で足ががくがく震える事についての話でもある。
中略
昨今では、どんなに無名の著者でも、SNSを活用すれば大きなマーケティング効果が期待できるらしい。具体的には、毎日ブログを書くことだ。少なくとも著者のハイアットはそう言っていた。
この手の話は前にも聞いた事がある。人気作家でマーケターのセス・ゴーディンも、ブログは彼のような職業の人間にとっては欠かせないと言っていた。
ブログを書くことで思考が整理され、新しい発見があり、さらに読者とも交流ができると言う。
毎日ブログを書くと考えると、確かにとてもワクワクする。しかし、同時にとても恐ろしいことでもあった。
ワクワクする理由は、「毎日」書くこと。生まれて初めて鉛筆を握ったその日から、「毎日文章を書く」という作家としての規律を身につけるのがずっと夢だった。
文章を書くことを仕事にするなら、これが一番大切なことだ。毎日ミューズの前に出席し、何かしら書く。なんならお尻を椅子に乗せて、机に向かうだけでも構わない。
それまでに出した18冊の本を書いたときも、私はこの規律をきちんと守っていた。
とはいえ、本の執筆中でもなく、特に締め切りもない時は、毎日書くという規律を守らないことが多かった。
ライターを名乗るなら、何よりもまず書かなければならない。毎日ミューズの前に出席することが大切なのだ。それがわかっていても、怠けて書かない事が多かった。
私が本気を出すのは、締め切りが迫っている時か、またはどうしてもお金が必要な時だけだった。
そしてそれが、恐ろしいと思った理由でもある。
毎日ブログを書くなんて、まるで満員の観客の前で裸になるようなものだ。確かに、あの頃の私のブログの読者になっていたのは母親と二人の友達だけだったけれど、面白い文章を書けば読者が増えることはわかっていた。
しかし、多くの人に自分をさらけ出すのは、とても怖い事でもある。
そもそも、私のブログを読んでくれる人なんているのだろうか?ブログで人気者になろうなんて、おこがましいにも程があるのでは?
そう、私は不安でたまらなかった。当時の私は、すでに本を18冊出していて、テレビの人気トーク番組にも出演した事があった。歯医者さんの待合室に置いてある有名雑誌に記事も書いていた。
これだけの実績があれば、世間では成功したライターと呼ばれるのだろう。それでも私は、ブログを書くのが怖くてたまらなかった』。
う〜ん、なるほど。今までに沢山の本を出版し、人気テレビ番組にも出演して、有名雑誌に記事を投稿するなど、もう既に(書く仕事)に対する十分な実績があるのにも関わらず、そんな著者でも、新しい事を始めるという事は、とても恐ろしい事なんですね。
・映画監督のスティーブン・スピルバーグは、大きな成功を収めた今でも、まだ自信のなさに苦しんでいる。本人によると、これは大きな耳を持つようなものだ。オスカー賞を受賞したからと言って変わるわけではない。
・小説家のイザベル・アジェンデが、職業欄に「主婦」ではなく「作家」と気後れする事なく書けるようになったのは、小説を3冊出してからのことだった。「作家」を名乗るのはそれほど勇気がいることだと彼女は言う。
・カントリーロック界の大物ドン・ヘンリーは、トップ40に入るヒットを25曲も出しているが、まだ自信のなさに苦しめられる事がある。彼は言う。「自分にこんな事をする資格はあるのか?私の気持ちを歌にしたレコードなんて、いったい誰が聴きたがるんだ?私はいつでも、こう言う自信のなさや、自分には価値がないと言う思いを克服しようとしている」
最初から大きな目標を立てるのではなく、小さな目標を積み重ねる
先ほどの著者のお話を聞いても分かる通り、どんなに沢山の本を出版しようが、どんなに沢山の有名雑誌に記事を書こうが、何かを始める際の不安や恐怖を、人は完全には取り除く事は出来ないようですね。
世間から成功した人物と思われている人でも、新しい事にチャレンジする際には、常に不安や恐怖に襲われているのですから、これからアート作品を世に生み出していこうと考えている人の場合は、これよりもっと不安や恐怖感が強いのではないでしょうか?。
では、そう言った場合、僕達はどのように対処していけばいいのでしょうか?
著者はその攻略法を、誰もが子供の頃に遊んだ事がある、ある(遊び)を参考にする事をオススメしています。
その遊びとは…?
第7週・小さな1歩を踏み出すレッスン
創作と「だるまさんが転んだ」は似ている
パム・グラウト・『創造のプロジェクトに取り掛かるとき、大抵の人は最初から大きな事を期待している。グラミー賞を受賞するとか、現代のモナリザと評判になる絵を描くとか、そう言うことだ。
でもそれは、水泳の初心者がいきなり大西洋を泳ぐようなものだろう。
あなたは海流に流され、氷山に行く手を阻まれる。足がつり、体が動かなくなる。多分バミューダにも着かないうちにギブアップするだろう。初心者なら、まず庭のプールから始めた方がいい。
今週は、子供の頃の遊びを思い出してもらう事になる。それは、「だるまさんが転んだ」だ。「だるまさんが転んだ」では、一気に前に進む事は出来ない。鬼が見ていないうちに、少しずつ前に進んでいく。
中略
物語を書きたいなら、例えば登場人物が着ているホットピンクのネグリジェを描写してみよう。絵を描きたいのなら、水仙の絵を鉛筆でさっと描いてみよう。
中略
大切なのは、少しでもいいから毎日続けること。ピアノの音階練習と同じだ。これが将来の自分の投資になる。
中略
最初からアーティストになろうとすると、恐ろしくて足がすくんでしまう。何百年経っても世界から称賛されるような作品を目指したりしたら赤いケープに突進する猛牛でも急ブレーキがかかるだろう。
名優のサー・ローレンス・オリヴィエは、テレビのインタビューで「後世の人にどのように記憶されたいか」と質問された事がある。その時彼は、ひとこと「職業人」と答えた。
聞き手は驚いた。「俳優やアーティストとして記憶されたいと思わないのですか?」
「いいえ」と、彼は続けた。「職業の名前は関係ありません。シェイクスピアも職業人でした。詩人も職業人です。神も職業人です。だから私も、そのように記憶されたいと思います」
さぁ、あなたも作業着に着替え、ハシゴの一番下の段に足をのせよう。一歩ずつ、一歩ずつ。
そうやって進んでいけば、いつか星にも辿り着ける』。
僕たちの多くが、最初から壮大な目標を掲げてしまい、そして、その目標の大きさに圧倒されてしまい、結局途中で諦めて挫折してしまう事がよくありますよね?
なので、最初から大きな目標を達成しようとするのではなく、少しずつできる事から挑戦して行くことが、不安や恐怖感に押しつぶされる事なく、物事を達成する一番の近道と言う事なんでしょうね。
・『歌え、翔べない鳥たちよ』(立風書房など)などのベストセラーで有名な作家のマヤ・アンジェロウは、こんな言葉を残している「私は書くたびに、あの黄色いノートを前にする度に、挑戦の大きさに押しつぶされそうになる。これまでに11冊の本を書いてきたが、その度に恐怖に震えていた。『ああ、今度こそおしまいだ。私に才能がない事が、みんなにばれてしまうに違いない』と」
・シンガーソングライターのアイリス・ディメントは、最初のアルバムを出すまで、テネシー州ナッシュビルのスーパーマーケットで働いていた。最初の曲を書くまで、私達の誰もが経験する自信の無さと不安に苦しんでいた。1行書き、そして紙を丸めて捨てる。自分はろくな曲が書けない、ロレッタ、リンやマール・ハガード、カーター・ファミリーと言った尊敬するヒーロー達の領域に到達できる訳がないと思い込んでいた。
・大ヒットミュージカル『ハミルトン』の生みの親であるリン=マニュエル・ミランダは言う。『何かを書く度に、「自分は偽物だ」と不安に襲われる段階を経験し、そいsて、「絶対に完成できない」とパニックになる段階を経験する』
夢の実現を邪魔する思考③(自分を疑う気持ち)の攻略法
次は、夢の実現を邪魔する思考3つ目、(自分を疑う気持ち)についてのお話です。
多分多くの人が、この3つ目の思考のせいで、夢の実現を途中で諦めてしまったり、そもそも最初から、始める気すら起きなかったと言う人もいるのではないでしょうか?。
それは何故なのかと言うと、最大の原因は、自分自身に対する(自信の無さ)が原因だと思われます。
著者によると、アートなどの創作活動(ものつくり)を始めると、僕たちの前には必ずある(壁)が現れるそうなのです。
著者はこう語ります。
第12週・自分で自分のご機嫌をとるレッスン
初めてものを作った時に必ず現れる『壁』
パム・グラウト・『初めて絵を描いたり文章を書いたりした瞬間に、「心の問題」がすぐに現れる。
ただ、花の落書きを描いているだけなのに、最高にエキサイティングで豊かな人生からあなたを遠ざけていた障害物が、姿を現して大暴れする。
中略
彼らの正体は、あなたの中に眠っていた「羞恥心」や「罪悪感」だ。
自分には価値がないという不安。才能がないかもしれないという恐怖——。そして発作的に、コンソメ味のポテトチップスをドカ食いしたくなる。
あなたの一番の問題は自信のなさだ。それを探り当てるために、いったい今までカウンセリングやセラピーにどれだけ時間をかけただろう?
問題に名前をつけ、怖くなるとドカ食いしたり、走ったりして問題から逃げようとすることを認めるのは、確かに問題解決の第一歩になる。
でもここで大切なのは、「第1歩」に過ぎないと言うこと。
中略
私たちは自己啓発本を読み、自分には力があると言うことを学ぶ。前向きなアファメーションを繰り返す。洗面所の鏡に元気の出る言葉を書いた紙を貼る。それなのに、朝目を覚ますと、いつもこんな事を言っている。
「私はアルコール依存症の両親に育てられたアダルトチルドレンだ。機能不全家族の産物だ」そして最後に、思い出したようにこう付け加える。「でも、私には力がある」
そんな言葉を毎日聞かされている潜在意識の身にもなってみよう。「付き合いきれない」と言うしかないではないか』。
う〜ん、確かに。この自分には(価値がない)とか、(才能がないのかもしれない)と言う不安や恐れ、恐怖感は、創作活動を始める上でも足枷にもなりますが、実際に継続的に創作活動を続けて行く上でも、とても邪魔になる思考ですよね
・俳優のライアン・レイノルズは、「ピープル」誌の「世界で最もセクシーな男性」の一人に選ばれたこともあるが、「自分のことは今でも太りすぎで顔中ニキビだらけの子供だと思っている」と言っている。
・ノーベル文学賞作家のガブリエル・ガルシア=マルケスは、20世紀で最も重要な作家の一人と広く認められているが、「私は今でも、書くために机に向かうたびに恐怖に襲われている」と言っている。
・フランス人映画監督のフランソワ・トリュフォーは、監督になる前は何年も映画批評家をしていた。自分の映画を撮るのが怖くてたまらなかったからだ。
完璧主義を目指さない方が上手くいく?
アート作品などのものつくりをして行く際に、多くの人が悩む思考の一つに、(完璧主義)があると思います。
せっかく楽しい創作作業を始めても、ここがダメ、あそこがダメと言った感じで、ついつい自分にダメ出しばかりしていると、どんどんやる気が無くなっていく自分に気づく事ってありませんか?
そして、そうやって自分自身に対してダメ出しばかりしていると、いつしか創作活動をする事自体が苦痛に感じ始め、途中でやめてしまう事もありますよね?。
では、そんな時はどうしたらいいのでしょうか?。
そんな人に著者は、こんなアドバイスしています。
第5週・あえて平凡を目指すレッスン
下手くそな作品を作ると、夢が叶う!?
パム・グラウト・『さて、今週はいいニュースから始めよう。あなたの作品は、どんなに駄作でも構わない。日本一下手くそな絵を描いてもいいし、読むに耐えない文章を書いてもいい。私が許可を与える。
いや、許可を与えると言うよりも、駄作を作ることはあなたの義務だ。ゴミのような文章を、山のように書かなければならない。インクの染みのような絵を量産し、ブリキの兵隊のようにぎこちなく踊らなければならない。
下手くそな初心者になる教科を自分に与えると、全く新しい世界に入っていく事ができる。それこそまさに、ミューズがあなたに望んでいることだ。
初心者になり、完璧ではないアーティストになるには勇気が必要だ。勇気のある人しか、みっともない自分を見せることはできない。
中略
完璧主義者の問題は、何でも完璧にやらないと気が済まない事ではない。もっと別の問題が隠れている。
そもそも、何を持って完璧と言うのだろう?良いものと悪いものの区別もつかないのに、何が完璧かなんて分かる訳がないではないか。
私が4冊目の本を書いていた時のことだ。
中略
私はその本で、呼吸法を図解するイラストが必要になった。試しに自分で描いてみたところ、ジョージ・ワシントンにそっくりの石器時代の女性が、何やら変なポーズをとっているような絵が出来上がった。
自分で言うのも何だが、あれは間違いなく世界最低のイラストだった。もし予算があんなに厳しくなかったら、25ドルでもいいから余分にお金があったら、きっとデザイン学校の生徒でも雇って描き直してもらっていただろう。
でも私は、ライターであってイラストレーターではない。だから下手でも仕方がない。そう自分を慰めて、あの世界最低のイラストをそのまま使う事にした。
その絵がどういう訳か、読者の注目を集めた。沢山の人たちからいい絵だと言って貰えた。
あのイラストのどこに、そんなに魅力があったのだろうか?私に思いつくのは、あれが私の弱さをさらけ出していると言う事ぐらいだ。変な見栄を張らずに、本当の自分を見せている』。
皆さんも同じような経験をした事ありませんか?
自分では全然良くないと思った作品が何故か人から評価されたり、その逆に、自分では上手く出来たと思った作品ほど、あまり人から評価されなかったりする…。
果たして僕たちは、良い悪いの判断を、正しく認識できているのでしょうか?
・『ハリー・ポッターと賢者の石』(静山社)の出版社がついに見つかった時、J・K・ローリングは離婚して、無一文で、福祉に頼って暮らしていた、。それまでに11の出版社で断られ、さらには担当の編集者からも、「子供の本は売れないからちゃんとした仕事を探した方がいい」と忠告された。
・ある映画会社の重役が、初出演の映画で小さな役を演じたハリソン・フォードを自分のオフィスに呼び、扉を閉めルト言った。「君が映画で成功することは絶対にないだろう」。私が知る限り、ハリソン・フォードは映画界で50年以上に渡って活躍している。
・ソール・ベローは、大学時代に英文学の先生から「文学の才能はない」と切り捨てられた。それでもベローは「オーギー・マーチの冒険」(早川書房)や「フンボルトの贈り物」(講談社)と言った小説を書き、ピューリッツァー賞、ノーベル文学賞、グッゲンハイム奨励金、全米芸術勲章を受賞した。またベローは、別の小説で3度の全米図書賞を受賞した唯一の小説家でもある。
どうすれば自分に自信が持てるのか?
著者も語っている通り、僕たちすべての人の最大の問題は、(自信の無さ)だと思います。
そもそも何故完璧主義を目指すのかと言われれば、下手な作品を世に出す事で、自分の弱さや羞恥心を、他人には見せたくないと言う思いがあるからでは無いでしょうか?。(簡単に言えば、人に常によく見られたいという思いがあると言う事だと思います)
でもそうやって考えていると、創作活動を、そもそも始めようとする気すら起きないかもしれませんよね?。
では、どうすれば自分に自信を持ち、創作活動をを続けて行く事が出来るようになるのでしょうか?
著者はそのコツを、こう教えています。
作家に聞いた、「いい文章を書くコツ」
パム・グラウト・『中略
巨匠と呼ばれるような芸術家でも、失敗作はある。作家のアン・ラモットは、以前にこんな事を言っていた。
「作家は誰でも、歯を抜くような思いで書いています。どんな文章の名手でも、正しい言葉が次々と流れ出てくるわけではありません」
ラモットいわく、いい文章を書くコツは、とにかく何でもいいから書くことだ。
彼女はこの段階を、「ゴミのような第一稿を書く」と読んでいる。
ゴミでもいいから第一稿を完成させれば、「そこからもっとマシな文章が生まれてくるからです。それがわかれば、不完全な作品にも価値があると言う事が理解できるようになるでしょう」と彼女は言う。
失敗作は生ゴミと一緒だ。ただのゴミではなく、豊かな土地を作る肥料になる』。
僕たちは巨匠と呼ばれるアーティストたちの(光の部分)だけを見て、そう言った人達は常に完璧であり、自分たちとは全く違う、特別な存在なんだと思い込んでいますが、う〜ん、どうやらそれは少し違うようですね
どんなに凄い芸術家であっても、当然失敗もするし、文章だってすらすら書ける訳ではないんですね…ちょっと安心しました。
・「考える人」などの代表作を持つ彫刻家のロダンは、パリにある名門美術学校エコール・デ・ボザールの入学試験を3回受け、3回とも不合格になった。叔父からは、「教育のしようがない」と言われ、実の父親からは「私は愚か者を息子に持った」と言われた。
・偉大な作曲家ベートーベンはバイオリンの演奏が苦手で、音楽の先生達から作曲家になどなれる訳がないと言われ続けた。
・ピューリッツァー賞を2度受賞した作家のノーマン・メイラーは、高校の文芸新聞に自分の作品を投稿することが出来なかった。自信が無かったからだ。そしてハーバード大学の教授からは、文章力は「並」と評価された。
天才は特別な人達?
これから話すお話は、もしかしたら皆さんも普段思っている事かもしれません。
僕たち多くの人は、いわゆる(天才)と呼ばれる人達を、普通の人達とは全く違う特別な存在だと信じきっていますが、先ほど紹介したお話を読んでも分かる通り、そう言った人たちでも失敗作も当然あるし、文章だって、決してスラスラと書けている訳では無いようです。
では、そんな世の中から天才と評されるアーティストと、普通の一般人を分ける違いとは一体何なのでしょうか?。
それは、決して(諦めなかった)と言う事です。
著者は、こんな事を語っています。
大丈夫、天才たちだって、創作するのは怖い
パム・グラウト・『多くの人が、天才は特別な存在だと信じている。朝起きて、コーヒーを淹れ、「さて、始めるか」ですぐに天才的な仕事ができると思っている。でも、それは勘違いだ。
中略
たとえ成功したアーティストでも、心の中の恐怖を完全に克服した訳ではない。
アカデミー賞を受賞した俳優、サー・ローレンス・オリヴィエは、ずっと舞台恐怖症に苦しんでいた。
1400万冊も売れた「怒りの葡萄」を書いたジョン・スタイン・ベックも、ずっと自分の小説に自信が持てず、自分が偽物のように感じていた。
「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」に選ばれた「1984年」を書いた小説家、ジョージ・オーウェルはずっと作品が売れず、生涯にわたって不安を抱えていた。
実際のところ、あなたと「彼ら」の違いは、創作を続けたかどうかと言うことだけだ。
彼らは不安の発作が起きても、空飛ぶサルに襲われても、創造をやめることはなかった。
彼らは諦めなかった。大きな力に助けを求め、そして「イエス」と言った』。
う〜ん、どうでしょうか?。
どうやら、世の中からどんなに天才と呼ばれ評価されようが、それによって創作に対する不安が消える訳でもなく、自分の作品に対する自信が持てると言う訳でもないようですね。
ただ、彼ら天才と呼ばれる人と普通の人との唯一違う点があるとすれば、それは、どんな時でも決して(創作活動)を諦めなかったと言う事ですね
・女優のキャリー・マリガンは、演劇学校の入学試験ですべて落とされた。名門のドラマセンター・ロンドンの面接官からは、子供番組の司会者を目指した方がいいと言われた。彼女はその後、アカデミー主演女優賞にノミネートされている。
・1954年テネシー州ナッシュビルのラジオ局が主催する公開ライブ放送、グランド・オール・オプリに出演したエルヴィス・プレスリーは、その1回だけでクビになった。マネージャーのジミー・デニー・は、エルヴィスに向かってこう言った。「君は成功しないよ。トラックの運転手の仕事に戻った方がいい」
・4度のアカデミー賞・2度のエミー賞・3度のゴールデングローブ賞を受賞し、祖国イギリスでナイトの称号を授与されても、サー・ローレンス・オリヴィエはまだ舞台に上がるのが怖いという。「舞台恐怖症は絶対に消えてくれない。いつでもドアの外で待ち構えている。いつ、どんな形で襲ってくるか全く分からない」
結局、不安や自信の無さを克服して、創作活動を続けて行くにはどうしたらいいの?
先ほどのお話の中で天才とは、どんなに不安や恐怖心にかられても、決して創作活動だけは諦めなかった人たちだと書きましたが、この本の最後に、文学界の巨匠が残したある一冊の本のお話が紹介されています。
そこには、文学界の巨匠が創作活動を続けて行く上で感じた、不安や恐怖心が克明に綴られていて、著者はこの本を、(すべての創作者が読むべき一冊)だとも語っています。
最後に、このお話を紹介して終わりにしたいと思います。
すべての創作者が読むべき一冊
パム・グラウト・『私が最も大切にしている教えの一つは、ジョン・スタイン・ベックの『「怒りの葡萄」創作日誌』(大阪教育図書)に書かれている言葉だ。
これはスタインベックが、1939年からつけている日記をまとめた本で、小説を書きながら感じていた不安や絶望が詳細に綴られている。
ここで忘れてはならないのは、『怒りの葡萄』(早川書房)はピューリッツァー賞を受賞した名作であり、20年後のノーベル賞にもつながっていると言うこと、そしてスタインベックは27冊もの本を出していると言うことだ。
生前のスタインベックは、日記の出版を頑なに拒んでいた。しかし死後の出版は認めてくれた事に、私は心から感謝している。
日記を読むと、彼の心の動きが手に取るように分かる。完璧ではないが、それでも創作活動に忠実であり続ける一人の人間の生き方を知り、私たちは大いに勇気づけられる。
現在、スタインベックは誰もが認める文学界の巨匠だ。それでも私たちと同じように、自分の才能を疑い、自信のなさに苦しんでいる一人の人間だった。
日記の言葉をいくつか引用しよう
- ・「私の数ある欠点が頭をもたげてきた。私は作家ではない。今までずっと自分を騙し、他の人たちを騙してきた」
- ・「自分自身の無知と無能のことばかり考えてしまう」
- ・「自分に能力がないことは、自分が一番よくわかっている。いつでも自分の無能さとの戦いだ」
- ・「この本が苦痛の種になってきた。それはひとえに、私に能力がないからだ」
- ・「これは紛れもない凡作だ。そして最悪なことは、これが私にできる精一杯だと言うことだ」
紛れもない凡作?
ちなみに『怒りの葡萄』は、文学界で最も権威ある2つの賞を受賞している。スタインベックの日記は、創造の苦しみを味わうすべての人が読むべき聖書だ。
天才と凡人を分けるのは、不安になりながらも前に進む意志の強さだけだと言う事を教えてくれる。
あなたもスタインベックの後に続こう。これまでに存在したアーティストたちの力も借りよう。彼らに手を引いて貰えば、深い谷を越える事ができる』。
う〜ん、なるほど。創作日記を読むと、いかに偉大な文学界の巨匠であっても、創作に対する不安や恐怖、自信の無さに、常に悩まされ続けていたんですね
やはりここでも分かる事は、創作活動を続けて行く上で最も大切な事は、不安になりながらも前進(創作)し続ける事なんでしょうね
皆さん、参考になりましたでしょうか?
・フィンセント・ファン・ゴッホは、自分に芸術の才能がない事を恐れていた。まるで、「心が牢獄に閉じ込められた」ように感じていた。
・映画『愛と追憶の日々』で、監督のジェームズ・L・ブルックスは5つのオスカーを獲得した。だから映画作りもさぞ楽しかったに違いないと思うだろう。しかし本人によると、毎日が極限の苦しみだったという。「まるで回転するプロペラに向かって歩いて行くようなものだ。一歩間違えれば大惨事だと言うことを常に意識していたよ」
・俳優のドナルド・サザーランドはこれまで100本以上の映画に出ているが、今でも撮影前になると緊張のあまり吐いているという。
今回の、本の内容紹介は以上です
終わりに
いかがだったでしょうか。
今回のお話は第1章に登場する、夢を叶えるのを邪魔する(思考)や(思い込み)についてのお話や、それを克服する為の方法についてのお話を中心に紹介してみました。
夢を叶えようと創作活動を続けて行くと、誰もが途中で悩んだり苦しんだりする事があると思いますが、そんな時は今回紹介した本を傍に置いておき、気分が少し落ち込み気味の時に読んでみれば、きっとまた創作意欲が湧いてくると思いますよ。
今回の紹介記事を読んで本書が気になった方は、ぜひ一度手に取り、実際に読んでみてはいかがでしょうか。オススメの一冊です📕。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
オススメ動画の紹介
今回紹介した本の紹介動画がありましたので、よかったらこちらの動画も参考にしてみて下さい。